先ず最初に

当院の特徴

私たちは、地域の、そして来院された皆様のお口を通じて全身の健康を、生涯に渡り健全に保つことを目標にしています。空気や水のように何気なくそこにあるべきものがある、と言う幸せを実現する為に日々取り組んでいます
一般医科では命を救うことが目的ですが、歯科医療では命に関わることは少ないように思えますが、QOL(生活、人生、の質)という点では非常に重要な分野で、皆さんの人生の質に大きく関わっている事の重要性を、深く認識しています

具体的には?

一生涯、自分の歯で何でも美味しく食べられることです。年齢が上がれば上がる程、一日の生活の中で食べることの重要性は増していきます。しかし問題の発端は実は10代〜20代にかけ芽が出始めているのです。症状が無い為にご自分では気付いていないだけなのです
ですから専門家と一緒に、共同作業として共に努力していかないと実現は難しいのです
歯を削ったり、ましてや神経を取ったり歯を抜いたりしないで済む事を患者さんと一緒になって考え、実践して行きたいと思っています

どうすれば一生涯、自分の歯を保てるのでしょう?

歯科に於ける2大疾患は虫歯と歯周病(いわゆる歯槽膿漏)です。これに罹らないことが一番です。不幸にして罹患した場合は、速やかに治すようにすればひどくなりません。ならない様努力し、なってしまった時は早期発見によりなるべく侵襲の少ない治療をし、神経を取らない、ましてや歯を抜かないようにすることが一生自分の歯で過ごす為のコツです。
メインテンナンスをして病気を予防しましょう。当院では約1/3の方が予防の為に通院されてます。歯のクリーニングや歯磨きの練習をするだけです
6ヶ月〜1年に一回程度定期検診を兼ねてクリーニングをしていきます
症状が出てからの来院はどうしても対策が後手に回ります。虫歯については、神経を取らなければならない可能性が高くなります

神経をとることのデメリット

1、再び虫歯になったとき痛んだり水がしみたりと言うバイタルサインが出ないので、気付いたときには非常に大きな虫歯になりやすいのです

2、生きていない歯なので、根の中に芯棒を入れてあり(差し歯)、根が割れる可能性が高くなります

3、神経の治療は、第一回目の治療での成功率は約90%ほどありますが、再治療では60%にさがってしまいます。従って予後(治療後の行く末)が計算できにくくなります。
予知性(これからどうなって行くか)を高める為には神経を取らない範囲で治療を収める事が非常に重要です
ここに早期発見、早期治療の重要性があります

歯が良いことが結果として入れ歯になるとは?

成人以降では虫歯よりも歯周病で歯が無くなる率が高くなります。歯周疾患の怖いところは症状があまりなく病気が進んでしまうことです。高血圧や糖尿病などと同じで、生活習慣病は皆同じような怖さがあります。私たちが時々目にするのは、若いときから歯が自慢で、ほとんど歯医者に来なかった人が中年以降に歯がグラグラし始め、あっと言う間に総入れ歯になってしまう事です。ほとんどの歯が歯周病に罹っていて、問題なのは1〜2本の歯だけではないのです。歯を支える歯周組織が全体的に痛んでいるので、少しずつ歯が喪失するに従って残っている歯の負担が加速度的に増加し、一定の限度を超えると将棋倒し的な様相で総入れ歯になってしまいます。虫歯になりにくい事は良い事なのですが、それが為に反って歯が早く無くなるとは、皮肉なことです。専門家と一緒になって取り組みましょう

将棋倒し的な歯の崩壊とは?

1本歯がなくなると、通常は両脇の歯を削りブリッジにします。そうすると3本分の負担が2本に掛かり、残存歯1本当たりの負担は1.5倍になります。健全な歯肉なら耐えられるところですが、歯周病で痛んだ組織では負担しきれません。自分の噛む力で自分の歯を痛めつけてしまいます。その3本ブリッジを支える歯の片方がやられると、そこを抜いて間が2本になった4本ブリッジになりますが、支える歯の負担は、本来の2倍になってしまいます。そうして過重負担で、残っている歯の本数が少なくなるに従い、比例的ではなく加速度的に残存歯の負担が高まり歯が無くなっていきます。本当に怖い話ですが時々目にします


加速度的歯の喪失を防ぐ方法

1、歯が1本無くなったところにインプラントをするメリット
 隣の歯を削る必要が無い(ブリッジでは削る必要がある)
 喪失歯の分の負担はインプラントがそのまま引き受けるので隣の歯の負担が増えない
 負担が増えないので歯が折れたりしにくい
   
2、ブリッジにした場合の注意点
 メインテナンスをきちっと行い、残っている歯や歯周組織の健康を維持し負担に耐えられる状態を積極的に作る。負担が大きくなっているので無理をさせない。細く長く使う。イカや乾き物などの硬い食品が好きな人は特に注意する
男性で噛む力が強い人は、天然の何も治療していない歯でも咬み割ってしまう事があります。ですから神経を取り、差し歯にした場合はある意味、折れても仕方が無いとも言えます

3、部分入れ歯にした場合の注意点
 噛む力を残っている歯だけでなく、歯肉の土手の部分にも受け持ってもらい、噛む力を分散することで残存歯の負担を減らす事ができます。
入れ歯に加わる噛む力は粘膜と残存歯に伝えられますが、粘膜は時間と共に吸収し低くなり入れ歯の裏側に隙間が出来ます。そうすると入れ歯は動くことになります。入れ歯が動くと言うことは、入れ歯の部品で、残っている自分の歯に掛けてあるクラスプという金具も動くことになり、食事で入れ歯に力が掛かる度に、残っている歯が揺さぶられることになります。そうすると自分の噛む力で自分の歯を壊すことになります。
 これを防ぐには、6ヶ月に一度は低くなった粘膜を補うため、入れ歯の裏側にプラスチックを足して、ぴたりと適合した入れ歯を維持すると、残っている歯の負担が減り、入れ歯も長持ちします。そして何より残存歯の保護になります。このように入れ歯もメインテナンスをしていけば非常に長持ちをし、歯の喪失の雪崩現象も防ぐことが可能です。歯の本数が減ったとしても、諦めず一緒に維持をしていきましょう

(入れ歯は両刃の剣、役にも立つが使い方を誤ると害もする)



メール

トップ